閉園になった幼稚園で
ひと・もの・ことが集まる場づくり
隊員データ
山口 洋介 やまぐち ようすけ
京都府京都市出身
1984年生まれ
大阪府大阪市より移住
・着任期間
2019年11月〜
・主な活動地域
一宮町繁盛地区
・ミッションタイプ
フリーミッション型
※2年目の活動にいては
近日更新予定です
宍粟市を選んだ理由
友人が協力隊員(小鹿隊員:現在はOG)として宍粟で活動していたのが大きなきっかけです。
大阪在住時に小鹿隊員を通じて何度か訪れる機会があり、その中で閉園になった幼稚園との出会いが移住を決める要因となりました。
協力隊を選んだ理由
隊員でないと幼稚園をお借りすることが難しかったこと、隊員となれば地域の方にも溶け込みやすいこと、そして経済的支援があることも大きな理由でした。
活動テーマについて
宍粟市の北部・繁盛地区にある旧繁盛幼稚園を活用し、そこに ひと・もの・こと が集まる場所を目指して活動しています。(夫婦で活動することが多いですが、隊員は私だけです)
ひと は地元の方や市外の方も含めた人たち
もの は地域資源を活用した物たち
こと はワークショップやイベントといった事
これらが集まる場所を目指しています。
大阪では「サササ」という屋号で小さなお店を営んでいました。漢方茶や装身具、植物などを販売していました。
この経験を生かした活動をしています。
これまで(2021.3現在まで)の
具体的な活動内容について
もの
宍粟市内で採取・栽培、もしくは市内の生産者さんから
いただいた生薬や野草で宍粟市産の漢方茶をつくりました。
(22種の野草・生薬を使い、4種類の漢方茶をつくりました)
同時に、幼稚園に来たくなるような場所づくりを行いました。
全体掃除、ペンキ塗り、廊下床板張り、照明工事、剪定・植栽(70種)、
遊戯場ワックス剥がし、遊戯場・廊下床オイル塗りなどなど…
今後もまだまだ作業は続きます。
ひと
漢方茶をきっかけに宍粟市北部との縁をつなぐ活動をしました。
改装途中でしたが、変わりゆく幼稚園を見ていただくのも良いかなと思い、2020年の9月から一般開放(予約制)をすることに。
宍粟市内を中心に、大阪、京都、姫路から多くの方々に幼稚園に来ていただきました。
(2020.9〜2021.2時点 41組 161人※ワークショップも含む)
こと
コロナ禍であったため、タイミングを見ながらワークショップを幼稚園、その他市内外で行い、宍粟市北部に来るきっかけをつくりました
幼稚園では「漢方茶ブレンドワークショップ(3回開催)」「葛糸づくりワークショップ(1回開催)」を、
その他市内外では「しめ飾りづくりワークショップ(16回開催 参加者97名)」を行いました。
その他
同じく宍粟市内で採れた植物でつくる繊維や染色からなる装身具を製作、発信を行いました。これがきっかけで雑誌SAVVYさんに取材していただきました。(2021.4月号 4P)
これらの活動を通じて宍粟市内、市外で人とのつながりを増やすことができました。これがなによりの成果だと感じています。
これからの活動について
幼稚園について
より多くの方々に来ていただけるよう喫茶スペースをつくる予定です。
もともと地元の方々からの要望もありましたが、1年の試用期間を経てようやく踏ん切りがつきました。地元にはお料理上手の方もいらっしゃいますので、そんな方々と一緒に御菓子をつくってお客様にご提供したいと思います。宍粟を満喫できる空間を目指します。
ものづくりについて
今いる場所よりもさらに標高の高い「千町」という場所で圃場をお借りし、漢方茶の生産量増加を目指していきます。地域性や昨年から学んでいる有機農法にて栽培することで商品により付加価値も高めたいと考えています。
また昨年はできなかった染色にも力を入れていきたいです。
衣服の仕事(パタンナー)もしていることから “衣”に関わるものづくりをしたいと考えています。
こと について
時勢をみて、ワークショップも積極的にしていきたいです。
私たち主催のものだけでなく、市内外問わず魅力的な方々と一緒に実施できたらと考えています。
任期後について
引き続き幼稚園を拠点にひと・もの・ことが集まる場所を目指していくことになるかと思います。
生業に関しては現在も続けているパタンナーの仕事、漢方茶・装身具・衣服の販売、喫茶の運営などが主な収入になる予定です。
また、今後の地域のことも考え移住者を増やす活動にも取り組みたいです。
最後に、協力隊になりたい方へ
今後、地域おこし協力隊は地方へ移住するひとつの手段としてより主流になりつつあると思います。自己実現と募集要項が上手く合えばとても素晴らしい制度です。
一方で協力隊は「公共」の事業でもあります。自己実現の中に、住んでいる地域の人たちに元気を与えることができるかが課題となります。
ここが一番難しい課題です。突然来た“よそ者”がどのように地域活性を目指していくのか。
同時に地域活性の方法は人それぞれです。100人いれば100通りの活性化があると思います。
私自身、まだまだ地元の方を巻き込みきれていませんが、幼稚園での活動を通じて少しずつ関わりの輪を広げて行けたらと思っています。
また、それには同じ意思をもった協力隊のつながりも大切です。
いつか、皆さんと活動できることを楽しみにしています。
山口洋介